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令和の斎藤雅樹作る!18年D1の巨人・鍬原、サイド転向へ

原辰徳監督、鍬原(くわはら)拓也投手(23)に右横手投げへの転向を打診

 巨人は9日、サンマリンスタジアム宮崎で秋季宮崎キャンプの4日目を迎え、原辰徳監督(61)が鍬原(くわはら)拓也投手(23)に右横手投げへの転向を打診した。2年間で1勝と伸び悩む2018年ドラフト1位右腕に重ねるのは、上手投げから転向して“平成の大エース”と呼ばれるまでに飛躍した球団OBの斎藤雅樹氏(54)。潜在能力の開花へ、原監督が手を差し伸べた。

中学まで投げていたという横手投げフォームで原点回帰

 秋季キャンプ4日目のこの日、ブルペン入りした右腕は、原監督らの助言で途中から横手投げで約50球。中学まで投げていたというフォームで原点回帰し、3年目の来季で飛躍を期す。この挑戦

 宮崎のブルペンで、原監督は一人の投手の投球練習に目を光らせていた。上手から投げていた鍬原が突如、肘の角度を下げ、次々と制球された球を繰り出す様子をじっと見守った。

『やってみろ』とね」

 「何となく代わり映えがしないと俺は感じたんだ。小さい時、サイド気味のフォームで投げていたんだって。うちはサイド、いないからね。『やってみろ』とね」

 指揮官は鍬原が約70球を投げた頃、体の回転などから宮本投手チーフコーチを通じて提案。ここで“転向”への試投が始まった。

 中大からドラフト1位で入団し、プロ2年間で1勝のみに終わった鍬原。昨秋は復帰間もない原監督に「将来の守護神候補」と期待されたが、今季は15試合登板で0勝1敗、防御率4・74にとどまった。

「2年間、上で結果が出ていない。きっかけをつくっていただいたので、やってみようと」

 そんな中で受けた助言に「2年間、上で結果が出ていない。きっかけをつくっていただいたので、やってみようと思います」と前向き。中学まで横手投げだった過去もあり「上から投げるよりはコントロールしやすい」と好感触を示した。

 その姿に“平成の大エース”が重なる。巨人でプロ野球通算180勝を挙げた斎藤雅樹氏は、藤田元司監督(当時)の助言で横手投げに変えて飛躍した。指揮官は、この前例を引き合いに出し、鍬原に「本質的にそっち(横手)の方が合っているのかもしれない。逆立ちしてみろ、みたいなのが何かのきっかけになる」と期待した。

 僕がオーバースローからリリースポイントを下げた時、気をつけていたのは手首を立てること。指が下を向いてしまうと直球がシュート回転してしまいます。カーブは手首を立ててひねることで曲がりが大きくなったのですが、直球もカーブを投げるイメージで手首を立てて投げていました。リリースポイントは時計の「2」から「3」の間を目安にしましたが、必要なのは一番、力の出る角度を見つけることです。また、腕を下げれば体の動きも変わってきます。上半身だけで投げようとすると肩、肘、脇腹を痛める原因にもなるので、下半身リードで腕を振ることが大事です。

「左の中川、右の鍬原」と呼ばれるセットアッパーになる可能性はあるとみます。 」

 フォームを変えるのは勇気がいります。やらされているといった思いがあるとなかなか身につきません。鍬原自身が新しいものを見つけようと積極的に取り組み、コーチと相談しながらやっていけばいいのではないでしょうか。はまれば「左の中川、右の鍬原」と呼ばれるセットアッパーになる可能性はあるとみます。」(前巨人投手コーチ)

 原監督のひらめきが眠れる逸材を目覚めさせるか。行方が注目される。

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