Wi-Fi 6の規格上の最大速度はWi-Fi 5の約1.4倍
Wi-Fi 6(IEEE802.11ax)って?
最初に確認したいのは対応するWi-Fi規格だ。2020年11月現在、無線LANの最新規格は「Wi-Fi 6」とも呼ばれるIEEE 802.11axだ。この半年間でWi-Fi 6に対応するパソコンやスマホ、タブレットが続々登場しており、主流になりつつある。Wi-Fi 6に対応するWi-Fiルーターの価格は1万円弱から5万円弱で、低価格帯の製品からハイスペックな最上位機種まで数多くの製品が発売されている。
国内スマートフォンの11ax(“Wi-Fi 6”)対応状況(2020年9月)
Apple
製品名 | 対応通信規格 | WPA3 | 対応時期 |
---|---|---|---|
iPhone 11 | IEEE 802.11ax/ac/a/b/g/n | 対応 | 2019/09(発売時) |
iPhone 11 Pro | IEEE 802.11ax/ac/a/b/g/n | 対応 | 2019/09(発売時) |
iPhone 11 Pro Max | IEEE 802.11ax/ac/a/b/g/n | 対応 | 2019/09(発売時) |
iPhone SE (第2世代) | IEEE 802.11ax/ac/a/b/g/n | 対応 | 2020/04(発売時) |
無線LAN通信規格の比較
Wi-Fi 6の規格上の最大速度は9.6Gビット/秒で、Wi-Fi 5の6.93Gビット/秒の約1.4倍になっている。さらに複数端末の同時通信に強く、パソコンやスマホの省電力動作が可能になっている。
項目 | Wi-Fi 4 | Wi-Fi 5 | Wi-Fi 6 |
リリース | 2009年 | 2013年 | 2020年 |
Wi-Fi 規格名 | IEEE 802.11n | IEEE 802.11ac | IEEE 802.11ax |
最大通信規格(理論値) | 600 Mbps | 6.9 Gbps | 9.6 Gbps |
周波数 | 2.4GHz帯 / 5GHz帯 | 5GHz帯 | 2.4GHz帯 / 5GHz帯 |
Wi-Fi 5は5GHz帯のみだったが、Wi-Fi 6はWi-Fi 4と同様に5GHz帯と2.4GHz帯を利用する。ただし2.4GHz帯の速度は5GHz帯よりも低い。
どちらのWi-Fiルーターを買うかは、接続する機器で決めたほうがよいだろう。Wi-Fi 6に対応するパソコンやスマホ、タブレットが1台でもあるか、または購入予定があるなら、少々値段が高くてもそれを生かせるWi-Fi 6に対応するルーターを選びたい。逆に手元になく購入予定もなければ、安価なWi-Fi 5対応Wi-Fiルーターを選ぶ手もある。
無線LANの規格は互換性が保たれる。Wi-Fi 6対応のWi-Fiルーターでも、Wi-Fi 5やWi-Fi 4(IEEE 802.11n)などの過去の規格はもちろんのこと、IEEE 802.11gやIEEE 802.11bといった大昔の規格にしか対応していない機器でも、機器同士の相性に問題がなければ接続できる。Wi-Fi 5に対応する機器しかない環境で、先行投資としてWi-Fi 6対応ルーターを選ぶのもありだろう。
プロバイダーが対応していればIPv6 IPoE対応製品を
Wi-Fiとは別の話になるが、利用しているプロバイダーがIPv6 IPoE接続に対応しているなら、IPv6 IPoE対応ルーターを選びたい。
IPv6 IPoEはIPv6網でIPv4の通信をするIPv4 over IPv6という技術を使用した接続サービスで、従来のIPv4接続よりも高速に通信できる可能性が高い。IPv6 IPoEの利用には、Wi-Fiルーターが対応している必要がある。
IPv6 IPoEは、従来の接続方法であるPPPoE接続と違ってインターネット接続の際にユーザーIDとパスワードによる認証が不要となる。そのたため、Wi-Fiルーターの接続設定をIPv6 IPoEに切り替えるだけでよい。Wi-Fiルーターによっては、接続した回線の種類を自動判別して設定を切り替える機能があるので、Wi-Fiルーターを接続するだけで設置が完了する場合もある。
IPv6 IPoE対応のWi-Fiルーターを選ぶときは、必ず「IPv6 IPoE対応」の記述があることを確認しよう。「IPv6対応」と記載されている製品もあるが、「IPv6パススルー」や「IPv6ルーティング」など別の機能を表していることがある。「IPv6対応」と「IPv6 IPoE対応」は同じとは限らないので注意が必要だ。
NEC PA-WX3000HP について
PA-WX3000HPの特長
複数台と同時接続しても安定した通信
・「OFDMA」で同時通信時の通信効率が大きく向上
・【MUーMIMO】の空間多重によって複数端末と同時通信
Wi-Fiの混雑状況を回避してつながりやすく
・【バンドステアリング】で混雑していない周波数帯を自動選択
・【オートチャネルセレクト】で電波状況の良いチャネルに自動切り替え
Wi-Fi6(11ax)による“ギガ越え”スループットを発揮
・最大2402Mbps(5GHz帯)+574Mbps(2.4GHz帯)の高速通信
・デュアルコアCPU搭載で高速通信を実現!
・手にしたスマホの向きを気にせず、しっかりつながる
最新ファームウェアに自動でアップデート
・意識せず最新のファームウェア状態で利用可能
ボタンひとつで設定の引き継ぎが簡単
・WPSを用いた操作で、各Wi-Fi端末の設定情報をお引越し
Wi-Fi 6 対応上位機種および Wi-Fi 5 対応上位機種との比較
項目 | PA-WX6000HP | PA-WX3000HP | PA-WG2600HP3 |
無線LAN規格 | Wi-Fi 6 | Wi-Fi 6 | Wi-Fi 5 |
ストリーム数・アンテナ数 | 8ストリーム 送信8 x 受信8(5GHz) 4ストリーム 送信4x受信4(2.4GHz) | 2ストリーム 送信2x受信2(5Ghz/2.4GHz) | 4ストリーム 送信4x受信4(5GHz2.4GHz) |
接続台数 / 利用人数 | 36台 / 12人 | 36台 / 12人 | 18台 / 6人 |
間取り | 戸建(~3階) マンション(~4LDK) | 戸建(~3階) マンション(~4LDK) | 戸建(~3階) マンション(~4LDK) |
規格値 5GHz帯 | 11ax(4804 Mbps) 11ac(3467 Mbps) 11n(800 Mbps) 11a(54 Mbps) | 11ax(2402 Mbps) 11ac(1733 Mbps) 11n(400 Mbps) 11a(11 Mbps) | 11ac(1733 Mbps) 11n(800 Mbps) 11a(54 Mbps) |
規格値 2.4GHz帯 | 11ax(1147 Mbps) 11n(800 Mbps) 11g(54 Mbps) 11b(11 Mbps) | 11ax(574 Mbps) 11n(400 Mbps) 11g(11 Mbps) 11b(11 Mbps) | 11n(800 Mbps) 11g(54 Mbps) 11b(11 Mbps) |
NECが公開している 実測値 | 約 4040 Mbps | 約 1580 Mbps | 約 1430 Mbps |
WAN側機能 | らくらくネットスタート 2機能 IPv4(IPoE) IPv4(PPPoE) PPPキープアライブ IPv6(IPoE) IPv6(DHCPv6-PD)※3 IPv6(IPv4 over IPv6) | らくらくネットスタート 2機能 IPv4(IPoE) IPv4(PPPoE) PPPキープアライブ IPv6(IPoE) IPv6(DHCPv6-PD)※2 IPv6(IPv4 over IPv6) | らくらくネットスタートLite機能 IPv4(IPoE) IPv4(PPPoE) PPPoEマルチセッション PPPキープアライブ IPv6(IPoE) IPv6(IPv4 over IPv6) |
実売価格Amazon(2020/11) | 31,680 円 | 13,624円 | 10,970円 |
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