ポスシステムでメジャー移籍を目指していた広島・菊池涼介内野手(29)記者会見で残留を表明
年俸3億円プラス出来高の4年契約
ポスティングシステムでメジャー移籍を目指していた広島・菊池涼介内野手(29)が27日、広島市南区の球団事務所で記者会見を開き、残留を表明した。
菊池は昨年12月の契約更改交渉で球団に米大リーグ挑戦を直訴した。今年11月8日に容認され、12月3日に申請手続きが完了。来年1月2日午後5時(日本時間3日午前7時)だった交渉期限まで1週間を切り、来季も広島でプレーすることを選んだ。 今季から6000万円増となる年俸3億円プラス出来高の4年契約で更改。21年には海外フリーエージェント(FA)権を取得見込みだが、米挑戦は封印する考えを併せて示した。
菊池涼は前回のWBCで、アクロバティックな守備で各国の野球ファンを魅了した。それでも現状で米30球団からオファーを受けるに至らなかった理由は、戦い方の変化にある。今のメジャーでは極端なシフトを多用。二塁手は正面に近いゴロを堅実にさばけばいいと考えている。
「今のMLBではロベルト・アロマーのような守備範囲の広い二塁手を必要としていない」
06年の第1回WBC米国代表監督で、近年もテレビ解説でWBCを追い続けているバック・マルティネス氏は菊池涼の守備力を称賛した上で「今のMLBではロベルト・アロマーのような守備範囲の広い二塁手を必要としていない」と指摘した。アロマーはゴールドグラブ賞を10度受賞した殿堂入りの二塁手。だが、最先端のチームはムスタカス(レッズ)、マンシー(ドジャース)のようなパワーヒッターを二塁に配置して本塁打を期待する。データ分析が、その方が勝率が上がると結論づけているからだ。
マルティネス氏は「プロ野球にはサイクルがある。いずれまた守備範囲の広い二塁手が求められる時代が来るかもしれないが、今はそうではない」と話した。スローな市場の動向も相まって、菊池涼の移籍は実現しなかった。
7年連続7度目となるゴールデングラブ賞 東京五輪出場も可能
今季は138試合に出場し、打率2割6分1厘、13本塁打、48打点をマーク。7年連続7度目となるゴールデングラブ賞も受賞した。プレミア12ではベストナインに輝くなど、稲葉ジャパンの世界一に大きく貢献。広島に残留することで「オリンピックはみんなが出たいと思っているのでは。そりゃ(自分も)出たいですよね」と話していた東京五輪出場も現実味を帯びてきた。
「本当に自分の夢を実現しようと動いてくれたカープ球団にはすごく感謝しています。その中でFA市場の動きが遅いこともあり、この状況が続くのであればやはり僕の思いをくんで、快く出してくれたカープ球団に早く伝えた方がいいなという決断に到りました」とカープ愛を強調していた。
広島東洋カープ
菊池 涼介
きくち・りょうすけ
ポジション | 内野手 |
投打 | 右投右打 |
身長/体重 | 171cm/72kg |
生年月日 | 1990年3月11日 |
経歴 | 武蔵工大二高 – 中京学院大 |
ドラフト | 2011年ドラフト2位 |
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