複数回優勝を目標
昨季AIG全英女子オープン覇者の渋野日向子(21=サントリー)が15日、国内女子ツアー今季初戦となるアース・モンダミン・カップ(25~28日、千葉・カメリアヒルズCC)を1週間後に控えた心境についてオンライン会見で語った。今年1月末以来、約5カ月ぶりの取材対応で体重増と飛距離アップを告白。日米5勝を挙げた昨季からさらに進化した21歳は、複数回優勝を目標に掲げるなど、今季への意気込みを語った。
真っすぐ切りそろえた“ぱっつん前髪”で画面に登場。約5カ月ぶりの会見となった渋野は「変わりました、バッサリ!全英の時に切りすぎたのでだいぶ勉強して、眉毛より下にしました」と、しぶこスマイル”を浮かべた。だが、コロナ禍で試合がない期間に変化も起きていた。「何か久しぶりなんでちょっと緊張しています。どうやってプレーしとったかな、って」と苦笑いを浮かべた。
「見た目はちょっとおっきくなったかなって思います。去年から、体重も増えているので。3、4キロ増えたんですけどウエアのサイズもちょっとおっきくなってた、っていうのはありますね」
1Wの飛距離が「10ヤードくらいアップした」
「切れ系や体を大きくするトレーニングをしていました」。昨年11月から契約を結ぶ斉藤大介トレーナーとのトレーニングで、体に変化が出てきた。その成果として1Wの飛距離が「10ヤードくらいアップした」という。昨季の平均飛距離は248・21ヤードで12位。10ヤード伸びると、1位の穴井詩の260・67ヤードに迫る。20~21年シーズンでは、昨季4勝を挙げた21歳のスケールアップした姿が見られそうだ。
25日に国内ツアーが開幕するが、今年は大きなスケジュール変更を強いられてきた。当初は2月下旬の米ツアー2試合を経て国内新シーズンに入る予定だったが、約4カ月遅れての今年初戦となる。今季の目標を問われると「複数回優勝したいし、アメリカ(ツアー)も挑戦したい。悔いのない1年にしたい」と抱負を述べた。
2021年米ツアー参戦に向けて、目標としていた今秋米ツアー予選会も中止に。さらに、東京五輪までも来年に延期となった。だが、渋野の気持ちに変化はない。「変わらずです。前に進むのみ」と、晴れやかな表情で言い切った。
技術面では昨オフからアプローチを徹底して練習。(一日)4、500球。転がすアプローチを増やして、一歩ずつできた。フェースも削れた」と振り返った渋野。58度のウェッジは練習で削れて次々とダメになり、今年は既に5本目。昨年は11月の時点で7本目を使っていたことを考えると、猛練習ぶりが分かる。
「久しぶりなんで、ちょっと緊張してます。どうやってプレーしとったかなって」と笑いながらも、今季については「複数回は優勝したい。悔いのない年にしたい」と宣言した。次週には、いよいよ“NEWしぶこ”の戦いの幕が開ける。
≪青木コーチ「最終日100%」≫青木翔コーチもリモートで会見し、渋野のコンディションについて「今は正直20%ぐらい。開幕で60%に持っていって、最終日に100%に近づければ」と説明した。3月の開幕前は100%に近い状態だったが、いつ開幕するか不透明な状態が続き「モチベーション維持が難しいので一度落とした」という。現在は調整のピッチを上げており、開幕戦に向けては「思いきり暴れてほしい」と活躍を願っていた。
≪全英は連覇へ出場意向≫開幕戦のアース・モンダミン・カップ後、国内女子ツアーは7月の4大会が全て新型コロナウイルスの影響で中止が決定。再開第2戦は早くても8月14日開幕のNEC軽井沢72(長野・軽井沢72北C)となる。また、米女子ツアーは7月下旬のマラソン・クラシックから再開を予定。メジャー大会はエビアン選手権が中止となったが、渋野は「思い入れは他のメジャーよりも強い」と8月のAIG全英女子オープンは出場する意向を示している。
1 2月の全米女子オープン挑戦の可能性は高いが、9月のANAインスピレーション、10月の全米プロ選手権は国内ツアーとの兼ね合もあり流動的。渋野は「青木コーチとマネジメントと話し合って、悔いのないように決めたい」と話した。
8月に予定される全英の開催可否は近日中に決まる予定だ。青木コーチは「コロナがひどく、安全確保ができない場合は出場しないが、基本的に出る」と明言した。
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