もう33歳じゃなくて、まだ33歳と思って頑張ります。
大相撲初場所千秋楽(26日、両国国技館)平幕徳勝龍が結びの一番で大関貴景勝を破り、14勝1敗で平成12年春場所の貴闘力以来20年ぶり2人目の幕尻優勝を果たした。出場力士の最高位を寄り切った徳勝龍は男泣き。18日未明に亡くなった母校の近大相撲部監督、伊東勝人さんに恩返しの初賜杯を捧げた。
徳勝龍を1差で追っていた平幕正代は平幕御嶽海を押し出して2敗を守った。関取最軽量99キロの炎鵬は平幕輝に押し出されて8勝7敗。負け越して大関陥落が決まっている豪栄道は平幕阿武咲に下手投げで敗れて10敗目を喫した。
以下は場内インタビュー
自分なんかが優勝していいんでしょうか
―改めて国技館の四方を見渡しました。この光景、どう見えていますか。
自分なんかが優勝していいんでしょうか(笑)
-1番下の番付で優勝
徳勝龍 自分が1番下なので怖いものはないなって。思い切っていくだけと思っていました。
-優勝争いに向けて周囲の声は
徳勝龍 意識することはなく…。ウソです。めっちゃ意識してました。
-昨日の取組後は「意識していない」と言っていたが徳勝龍 バリバリ、インタビューの練習してました。-結びの一番で貴景勝との取組が決まった時はどう思ったか
徳勝龍 ずっと思い切りいけばいい。立ち合いだけ思い切りいけばいいと考えてました。
-時間前の仕切りで水を一口飲んだが
徳勝龍 喉がカラカラでした。
-優勝が頭の中にあったか
徳勝龍 それは意識せずにいこうと思いました。
-左四つ、右上手になった
徳勝龍 右上手取って出ていって、振られた時に危ないと思ったけどいきました。
-何が後押しになったか
徳勝龍 場所中に恩師の近大相撲部の伊東監督が亡くなって…。監督が見ててくれたんじゃなくて、一緒に土俵上で戦ってくれた気がします。
-伊東監督にどういう報告をしたいか
徳勝龍 ずっといい報告をしたいと思っていた。それだけで頑張りました。弱気になる度に監督の顔が思い浮かびました。
-奈良県勢の優勝は98年ぶり
徳勝龍 大変なことをしてしまいました。
-地元ファンに
徳勝龍 いい報告ができると思います。
-今33歳で次は34歳。若手も伸びてきているが
徳勝龍 もう33歳じゃなくて、まだ33歳と思って頑張ります。
-返り入幕でこの結果。次はどこを目指すのか
徳勝龍 もう、行ける所まで行きたいです。
-国技館に来てくれた母へ一言
徳勝龍 いつも照れくさくて言えないけど、お父さん、お母さん、産んで育ててくれてありがとうございます。
徳勝龍 誠(とくしょうりゅう・まこと) のプロフィール
本名・青木誠。昭和61(1986)年8月22日生まれ、33歳。奈良市出身。近大卒業後、木瀬部屋に入門。平成21年初場所初土俵。25年名古屋場所で新入幕。幕内通算は170勝204敗(25場所)。生涯通算436勝410敗(66場所)。幕内優勝1回。十両優勝1回。得意技は突き、押し。181センチ、188キロ。
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