渋野、畑岡出場予定の米ツアー２戦中止　五輪金プランに暗雲│e-Tokyo2020

1 新型肺炎感染拡大の余波やまず
2 東京五輪ゴルフ　
- 2.1 女子は２０年６月３０日時点の世界ランクを基準に算定する五輪ランク上位６０人が出場権獲得
3 新型コロナウイルスによる影響で中止された主なスポーツイベント

新型肺炎感染拡大の余波やまず

ホンダＬＰＧＡ（２０日開幕・タイ）と同６戦ＨＳＢＣ女子チャンピオンズ（２７日開幕・シンガポール）の２試合を中止

新型コロナウイルスの感染拡大を受け、米女子プロゴルフ協会（ＬＰＧＡ）は１０日、ツアー第５戦ホンダＬＰＧＡ（２０日開幕・タイ）と同６戦ＨＳＢＣ女子チャンピオンズ（２７日開幕・シンガポール）の２試合を中止すると発表した。東京五輪日本代表入りを目指す渋野日向子（２１）＝サントリー＝にとって、世界ランクのポイント加算が大きい米ツアーでの五輪イヤー初戦が流れる形となった。国内ツアー開幕戦ダイキンオーキッドレディス（３月５～８日、沖縄・琉球ＧＣ）が今年初戦となる見込み。

畑岡奈紗、渋野日向子、稲見萌寧、立松里奈が参戦予定していた

　2試合とも米国を主戦場とする畑岡奈紗に加え、日本から渋野日向子がスポット参戦を予定していた。「ホンダLPGAタイランド」については稲見萌寧も主催者推薦で出場が決まっており、タイ在住の18歳、立松里奈も1月の予選会で出場資格を得ていた。

　LPGAはすでに中国・海南島で3月5日に開幕する予定だった「ブルーベイLPGA」の中止を決定。これでアジアシリーズ3試合すべての中止が決まった。

「ホンダLPGAタイランド」を開催するはずだったサイアムGCでは、今週12日から開幕を予定していた「アジアパシフィック女子アマチュア選手権」の延期も発表されている。

世界ランク１５位以内死守を狙う渋野陣営にとっては痛手

　思わぬ形で渋野の金メダル獲得プランが修正を余儀なくされた。大事な五輪イヤーの初戦、２戦目が中止となった。日本ツアーよりも世界ランクへのポイント加算の高い米ツアー中止は、世界ランク１５位以内死守を狙う陣営にとっては痛手とも言える。この日、連絡を受けた渋野は10日「楽しみにしていた大会が中止になり、とても残念です。新型コロナウイルスの影響の拡大が一刻も早く終息する事を祈っております」とマネジメント会社を通じてコメントした。

　五輪代表は６月末の世界ランクで決まる。関係者によれば、日本勢２番手の世界ランク１１位の渋野は今後、国内で調整する予定。渋野は約１０日間のタイ合宿で小技を中心に磨き、２大会への準備を進めていた。ランキング上位の選手が多い米ツアーで上位に入れば、高いポイントを得られる可能性もあっただけに、出はなをくじかれた。関係者によると、当面は海外遠征の予定もなく、国内ツアー開幕戦のダイキン・オーキッド・レディース（３月５～８日、沖縄）が今季初戦になる見込みだ。１月２７日から１０日間のタイ合宿を敢行。同国でのホンダＬＰＧＡも見据え、青木翔コーチ（３６）の指導の下、高温多湿の中で練習とトレーニングを積んでいた。米ツアーからの“ロケットスタート”をもくろんでいたが、五輪までの日程も今後、再考を迫られるとみられる。

　五輪代表入りが有力視される世界ランク４位の畑岡奈紗（フリー）も２試合に出場予定だった。米ツアー開幕から２戦連続で２位に入り、「オフに取り組んだことができている」と手応えを感じていた。その矢先に出場予定だった試合が中止。勢いに水を差される格好となった。１月の米ツアー２戦連続２位と好調で現在は米国内で調整中。一度帰国し、空いた２週間の日程を再考する方針という。日本勢３番手で同１４位の鈴木愛（セールスフォース）は、もともとダイキン―を今年の初戦に位置づけ、米国で調整に励んでいる。

　既に３月に中国で開催される予定だった米ツアー、ブルーベイＬＰＧＡ（５～８日、海南島・ブルーベイＧＣ）も中止となっていた。アジアでの今季３試合が中止に追い込まれる超異例の事態に、ＬＰＧＡは「私たちの選手、ファン、大会関係者の健康と安全が常に最優先される。残念に思う一方で、またアジアに戻ってくるのを楽しみにしている」と声明を出した。新型コロナウイルスは、ゴルフ界にも大きな影響を及ぼしている。

東京五輪ゴルフ　

女子は２０年６月３０日時点の世界ランクを基準に算定する五輪ランク上位６０人が出場権獲得

　〈１〉同ランク１５位以内は各国・地域で最大４人

　〈２〉１６位以下は〈１〉の有資格者を含み最大２人が出られる。

　今月３日付世界ランクでは畑岡が４位、渋野は１１位、鈴木愛（２５）＝セールスフォース＝が１４位で日本女子は３人が出場圏内につけている。女子は２０年８月５日から４日間、埼玉・霞ケ関ＣＣ東Ｃで７２ホールストロークプレーの個人戦で競う。１６年リオ五輪で初出場した日本女子は野村敏京４位、大山志保４２位だった。