試合をやらないと2年前のポイントが消えて、順位が下がってしまう
女子ゴルフの国内ツアー今季第2戦の明治安田生命レディース(高知・土佐CC)は2日、新型コロナウイルス感染拡大の影響により中止となることが決まった。 日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)が大会主催の横浜ゴム、特別協賛の明治安田生命とともに発表し、「国家的な課題として感染防止に取り組む政府の姿勢を重く受け止め、再度慎重に検討を重ねた結果、われわれに出来る最大限の協力として開催を中止することにいたしました」と説明した。
女子ゴルフは開幕戦ダイキン・オーキッド(5日から、沖縄)から2戦連続で中止。東京五輪代表入りを目指す 渋野日向子 (21)は参戦予定だった米ツアーを含めると4戦連続中止となり、スケジュールと調整が大幅に狂っている。
大会側は「検討を重ね、我々にできる最大限の協力として中止することにいたしました」と説明。JLPGA関係者は「政府が『15日までが目安』といっているのだから、無観客というわけにはいかない。このご時世では、15日までは中止するしかない。3月いっぱいは開催できないのではないか」と覚悟している。
このままでは「Tポイント×ENEOS」(20日から鹿児島・高牧CC)、「アクサレディス」(27日から宮崎・UMKCC)の開催も微妙。東京五輪出場権のかかる今季は、あまりに痛い中止となっている。
米ツアーは東南アジアで開催予定だった今週までの3試合が中止され、世界ランクが大きく動くことはなかったが、米本土に舞台を移す今週の「ファンダースカップ」(19日から、米アリゾナ州)で再開される。
世界ランクは2年間のポイントで算出されるため、「試合をやらないと損をする。2年前のポイントが消えて、順位が下がってしまう」(前出関係者)と、このままでは試合を行う米ツアー選手に抜かれてしまう。
現在は実家の岡山で調整している渋野は、今季初戦に予定していた東南アジアの米ツアー2試合が中止となり、当初欠場予定だった「明治安田生命」に急きょエントリーしたが、中止となってしまった。
所属事務所のスタッフは「コロナの問題で、スケジュールが確定できない。みんな条件は同じなので、仕方ないです。次の試合に合わせるしかありません」と身動きが取れない状況を明かす。
鈴木愛 は東南アジアを回避し、国内開幕戦に照準を定めていたが、2月中旬に仕上がった状態になっていた渋野は、計算が大きく狂った形だ。
もしも、このまま国内ツアーの中止が続けば、米ツアーの「ANAインスピレーション」(4月2日から、カリフォルニア)が今季初戦となる。その前週となるKIAクラシック(3月26日からカリフォルニア)などの出場権は現段階ではなく、ぶっつけ本番でメジャー大会に挑まなければいけない。
また「入国問題」も降りかかる。前出のJLPGA関係者は「韓国人はアメリカに入国できなくなる可能性があったので、朴仁妃(リオ五輪金メダル)や米ツアーメンバーは、早々とアメリカに入っている。入国できても、隔離されて試合に出られなくなったら困りますから」と明かす。
国内ツアーは今後も20日開幕のTポイント×ENEOSトーナメント(鹿児島・鹿児島高牧CC)、27日開幕のアクサレディース(宮崎・UMKCC)と続く。2020年シーズンの開幕はいつになるのか。
国内ツアーの中止が続き、米国入国もできなくなれば最悪の展開。グリーン上に1日も早く、スマイリング・シンデレラが戻ることを願うばかりだ。
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