「東京五輪で金メダルを取りたい」
前回のリオデジャネイロ大会は112年ぶりにゴルフが五輪競技に復活したにもかかわらず、男子はトップクラスが参加しないなど今ひとつ盛り上がらなかった。種目は個人戦だけでメダルも獲得できない結果に日本国内の反応も鈍かった。しかし、今回は渋野日向子(21)というニューヒロインが登場。風向きは大きく変わった。
「東京五輪で金メダルを取るところを見てもらえたらすごいことだし、めちゃめちゃそれってカッコいいと思う。全英以上に影響を与えると思う。それが最高の結果だと思う。みんな狙っているけど、私も取りたい。とりあえず、まず選ばれることですけど」
代表は6月29日時点の世界ランキングに基づく五輪ランキングで決定
女子ゴルフの五輪代表は、海外メジャー「KPMG全米女子プロ選手権」(6月25-28日、米・ペンシルバニア州アロニミンクGC )終了後の6月29日時点の世界ランキングに基づく五輪ランキングで決定する。
15位以内は各国・地域で最大4人 日本人は3人出場の可能性
15位以内は各国・地域で最大4人。16位以下は同2人までが代表となる。渋野は昨年末の最新世界ランキングが11位で、日本勢では6位の 畑岡奈紗 (20)に次いで2番手にいる。昨季賞金女王の 鈴木愛 (25)も15位に入り、渋野は「3人で行くのがベスト。個人戦だけど同じ日本代表。心強いし、(日本が)メダルを取る可能性も高くなる。ぜひ3人で出たいと思っている」とトリオでのチームジャパンの結成を描いている。
渋野の金メダルを新所属先のサントリーが全力アシスト
1月中旬には月末で契約が切れる「RSK山陽放送」に替わる新しい所属先となることが決まった「サントリー」とのお披露目会見にも出席する。「サントリー」は女子ゴルフ界のパイオニア、宮里藍(34)がかつて所属していた一流企業で、その金額は億を超えると推測されている。
「サントリーさんは、選りすぐりのアスリートしか応援しない。そのかわり成績が悪くなったからといって途中で降板するようなことはなく、ほぼ永久的にサポートする。しかも、サントリーさんは、いろんな行事に連れまわすようなことをしないからゴルフに集中できる。渋野が結果を出すには最高の環境を手に入れたことになるだろう」
関係者は、サントリーとの契約も渋野の五輪出場に大きな追い風だと証言する。
全英優勝で出場権を得た今季の海外メジャーはすべて出場予定
全英優勝で出場権を得た今季の海外メジャーはすべて出場予定で、五輪代表決定前には「全米女子オープン」(6月4―7日 、米・テキサス州チャンピオンズGC)と「全米女子プロ 」が 控える。世界ランキングは各大会ごとの成績をポイントに換算して決まるが、その配分が高くなる米ツアーにも主催者推薦で出場する方向で日程を調整している。現時点で有力なのは「全米女子オープン」の前週に行われる「ショップライトLPGAクラシック 」 (5月29-31日、米・ニュージャージー州シービュー・ア・ドルチェホテルBC)。2010年には宮里藍が優勝したことでも知られる大会だが、時差ぼけなどを解消し、コンディションを整えて「全米女子オープン」に臨むための前哨戦となる。
「私に憧れて(ゴルフを)始めましたと言ってもらいたい。そういう選手になりたい」
「五輪で金メダルを取るとかなりの影響を与えると思う。ゴルフは今、競技人口が減っている。ジュニアの大会も出場者が自分たちのころと比べても減っている。自分たちの世代に大きな影響を与えた宮里藍さんのように結果を出すことによって、いろんな人にゴルフを知ってもらえるし、私に憧れて始めましたと言ってもらいたい。そういう選手になりたい」
大きな目標を掲げて挑む東京五輪。代表が決まる6月末までの半年をいかに過ごし、結果を出すかで全英を超えるための“セカンドインパクト“の成否が決まる。
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