遠征先のマレーシアでの交通事故で負傷してから4日で退院
遠征先のマレーシアで交通事故にあい、15日に帰国したバドミントン男子シングルス世界ランキング1位の桃田賢斗(ももたけんと)(25)=NTT東日本=が、入院していた東京都品川区の病院で精密検査を受けた結果、骨折や内臓の損傷はなく、「身体面に異常なし」と診断された。
精密検査を受けるため帰国翌日の16日から入院していたが、奇跡的に身体面に異常はないと診断され、早期の退院につながった。今夏に迫る東京五輪の金メダル候補は、事故後初めてコメントを発表し、周囲の支えに感謝しつつ、一日も早い競技復帰を誓った。
桃田は今月13日、マレーシアで開かれていた国際大会を終えて空港へ向かう途中、乗っていた車が高速道路でトラックに追突し、運転席の真後ろにいた桃田の眉間には事故で受けた裂傷を縫う約10針の跡が刻まれていた。
運転手が死亡するほどの大事故に遭ってからわずか4日。桃田が奇跡の金メダルへの道のりを歩みだした。マレーシアで診断された顔面3カ所の裂傷と全身打撲を除き「身体面に異常なし」とされた。所属するNTT東日本を通じ、事故後初のコメントを発表した。
「当面は静養することになりますが・・1日も早く元気なプレーを」(桃田)
「当面は静養することになりますが、心身の回復に努め、1日も早く元気なプレーをお見せし、支えてくださっているみなさまに恩返しをしていきたいと考えています」(原文ママ)
事故から一夜明けた14日に日本協会の銭谷欽治専務理事が「命に別条がなかったことが、正直に奇跡だと思っています」と述べたほどの衝撃だった。奇跡的に身体面に異常はみられず、桃田も「幸いにも日本帰国後の精密検査でも異常が見当たらず本日退院することになりました」と安堵(あんど)した。
所属先は練習再開や大会の復帰時期を未定とし、メンタル面も考慮し、静養に努めるとした。世界ランキング1位の桃田は既に2020年東京五輪代表入りを確実にする。週明けに帰国する日本代表・朴柱奉ヘッドコーチらと今後の復帰プランを協議する予定。日本協会は3月11日に英国のバーミンガムで開幕する全英オープンでの実戦復帰を目指す見通しを示している。
奇跡の復活を目指すバドミントン界のエース
奇跡の復活を目指すバドミントン界のエースは、同じ25歳で競泳男子個人メドレー2種目の代表に決まっている瀬戸大也(ANA)に近況を報告していた。この日、北京遠征への出発前に羽田空港で取材に対応した瀬戸が明らかにしたもので、事故後にLINE(ライン)でやりとりし「なんとか大丈夫だよ」と連絡が来たという。
桃田は自身のツイッターでも退院を報告し、視線を前に向けた。「またコートに戻り恩返しできるように頑張ります」。奇跡の金メダルをつかむため、桃田が一歩一歩前進する。
桃田選手 コメントの全文
「応援いただいているファンの皆様、マレーシア政府や日本バドミントン協会をはじめとした関係者の皆様、このたびは、ご心配をおかけしましたが、幸いにも、日本帰国後の精密検査でも異常が見当たらず、本日、退院することになりました。事故後、多くのご支援をいただき、本当にありがとうございました。また、改めまして、今回の事故で亡くなられた運転手のかたのご冥福をお祈りいたします。当面は静養することになりますが、心身の回復に努め、1日も早く元気なプレーをお見せし、支えてくださっている皆様に恩返しをしていきたいと考えています。今後とも応援いただけると幸いです」
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