卓球のビデオ判定とは
1試合2度の権利があり、失敗したら減る
台の端に当たるエッジボール、サーブのレット(やり直し)などが対象
国際卓球連盟(ITTF)は14日、東京オリンピック(五輪)やITTFの主要大会でビデオ判定を導入すると発表した。台の端に当たるエッジボール、サーブのレット(やり直し)などが対象で、判定に不服のある選手が映像による確認を要求できる。1試合に2度の権利があり、抗議が実れば減らない。失敗したら減る。
東京五輪の卓球でのビデオ判定導入決定から一夜明けた15日、代表選手から歓迎の声が相次いだ。伊藤美誠(いとうみま)は「人の目だけで100%は難しい。機械やビデオがあったら選手も納得がいく。五輪の時にはあるのは力強い。試合に集中できる。」「相手と面と向かって戦える。私はとてもうれしいし、他の選手もうれしいと思う」と喜んだ。張本智和も「一番フェアな状況で試合ができる。少しでも『あれっ』と思ったら使いたい」と活用したい考えだ。
昨年4月の世界選手権個人戦女子ダブルス決勝の疑惑の判定が契機
ビデオ判定は昨年4月の世界選手権個人戦女子ダブルス決勝で伊藤美誠(スターツ)、早田ひな(日本生命)組が見舞われた“疑惑の判定”が導入の契機となった。
伊藤美誠(スターツ)、早田ひな(日本生命)組の試合。決まったように見えた早田のサーブが微妙な判定をとられて審判に抗議したが認められず。日本側が「映像を見てほしい」と抗議をしたものの覆らず、試合に敗れた。
第5ゲームの9-9から日本ペアが得点したかと思われたが、早田のサーブがネットに触れていたとして再プレーになり、結果的にこのゲームを落とした。続くゲームも奪われて日本勢52年ぶりの金メダルを逃した。2位は48年ぶり。
ITTF関係者によると、主審はマレーシア人で副審はスウェーデン人だった。伊藤は「絶対に違うと思ったし、審判にも言ったがビデオも見てくれなかった」、早田は「(サーブの)軌道も変わらず、相手もミスしたという表情をした」と話していた。日本協会はビデオ判定の導入を求め、ITTFが12月のワールドツアー・グランドファイナルで試行した。
テニスでは選手がビデオ判定を求める「チャレンジ制度」を採用しており、サッカーではゴールやPKの判定でビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)導入が進んでいる。
伊藤美誠(いとうみま)のプロフィール
生年月日 2000年10月21日
出身地 静岡県磐田市
身長 152cm
所属 スターツ(大阪)
戦型 右シェーク攻撃
世界ランキング 3位
[ 2020年1月 ITTF(国際卓球連盟)発表 ]2歳の終わりから卓球を始め、2008年(バンビの部:小2以下)、10年(カブの部:小4以下)の全日本選手権で優勝。11年の全日本選手権・一般の部で(大会)史上最年少勝利記録を更新。
15年、ドイツオープンのシングルスで優勝し、世界最年少優勝記録を樹立。ギネス記録にも認定された。翌16年のリオデジャネイロ五輪では、女子団体で最年少の15歳300日で銅メダルを獲得。18年の世界卓球(団体)では、8戦全勝と日本を準優勝に導く活躍をし、同大会の最優秀選手賞を受賞する。19年1月の全日本選手権大会では、女子シングルス、女子ダブルス、混合ダブルスで女子史上初となる2年連続3冠を達成。
20年1月、東京五輪のシングルス・混合ダブルス・団体戦の日本代表候補選手にも選出された。
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