4パット→イーグル 渋野、劇的変化の3位T
LPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ 宮崎カントリークラブ(宮崎県)第1日
首位と3打差の3位と好発進
賞金ランク3位から逆転で賞金女王を狙う渋野日向子(21)=RSK山陽放送=が、8月以来となる今季6つ目のイーグルをマークするなど、70で回り、2アンダーで首位と3打差の3位タイと好発進。朝のスタート時は雨が降り、気温13・9度と冷え込んだ。風も吹く荒天となったが「風がある中では(ショットも)良かった。きょうはいいスタートを切れた」とうなずいた。
目まぐるしく変わったのは、天候だけではなかった。渋野日向子はこの日もドラマチック。パー5で地獄と天国を味わう。「情けないと、気持ちがいい」。ハイライトの9、11番をそれぞれ言い表した。
スタートから8連続パー
スタートから8連続でパーセーブ。「朝から雨と風が激しい。でも、1番からしっかりとグリーンをとらえることができた。2サムが合っている。私はプレーが速い方です。(イ)ミニョンさんも速い。いいテンポでプレーができました」という。当然、前半最後の9番ではバーディーが欲しい。206ヤードの第2打を4UTで2オンに成功した。イーグルチャンスを迎えた。
9番で4パット
前半は苦しいゴルフが続いた。9番パー5。フェアウェーからの第2打を2オン。だが第3打、10メートルのイーグルパットを2メートルの「大ショート」。第4打はラインを読み切れず、1メートル半オーバーして、5打目の1メートルの返しも外し、ギャラリーからも深いため息が漏れた。「あれは悲しかったな~。本当に情けなかった」。日本ツアーで自身初の“4パット”は、優勝した8月のAIG全英女子オープン最終Rの3番パー4以来。「すぐに思い出しました。やっぱりやるんだなと思って。全英では強気に打ったけど、今回は弱気での4パットなので情けないです」と悔やんだ。
10番でイーグル
10番でリンゴとちくわを口に含み、気持ちを切り替えると後半はチャージをかけた。11番パー5(485ヤード)。フェアウェーからの第2打残り202ヤードを4UTで2オン。ピン手前約5メートルに着弾し、そのままピン目がけて転がり、右1メートル半に寄せるスーパーショットとなった。3打目、イーグルパットを難なく沈め「あれだけ寄ってのイーグルは気持ち良かったです」と笑顔で振り返った。16番も1メートル半を沈めてバーディーとし、後半は3つ伸ばした。
賞金女王を争う鈴木愛は10位、申ジエは26位と出遅れ
賞金女王を争う、ランク1位の鈴木愛が72で10位タイ、同2位の申ジエ(韓国)は75で26位と出遅れ、初日はスコアでライバルを上回った。優勝して、鈴木が2位タイ以下であれば、初の賞金女王の座を手にする。「きょう頑張った分、あと3日間は伸び伸びと悔いのないようにやりたい」と力を込めた。
「怒っていました。11番で取り返すしかないと決めていましたね」と振り返る。そこで10番ではエネルギーをチャージ。「りんごと、ちくわです。4パットですから、もうヤケ食いでした」と笑いながら8番、モグモグタイムのメニューを話した。「抹茶ピーナッツ、かむかむレモン。それから、かむかむレモンのタブレットで、赤から10辛の豆です」。まるで、ホールバイホールを話すがごとく、すらすらと答えている。
いよいよ、11番。残り220ヤードの第2打を4UTで2オン。9番と違ったのは、ピンから1.5メートルのチャンスだったことだろう。有言実行。今度はキッチリとカップインさせた。「狙い通り。しっかりと決められた。前週、何度もパー5で2オンしてもチャンスをいかすことができない。4パットが情けなかったから、本当に気持ちが良かった」と満面の笑みで解説している。
「今日、頑張った分、あと3日間は伸び伸びとプレーしたい」(渋野)
第1日、賞金女王を目指し、逆転のシナリオが見え隠れした。「いいスタートを切れた。きょう、頑張った分、あと3日間は伸び伸びとプレーをしたいです。4パットをしないように気をつけよう」。全英女子オープンでも、4パットがあった。不吉を吉兆にしてしまうところも、新世紀のトップランナーらしい。
テレサ・ルーが5バーディーで首位。2打差の3アンダー、2位に古江彩佳。2アンダー、3位タイで渋野日向子、柏原明日架がつけている。
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