「卓球・ワールドツアー・グランドファイナル」(12日、鄭州)
3度目シングルス代表
世界ランク10位の石川佳純(26)=全農=が12日、日本協会が定める東京五輪代表の選考基準を満たし、シングルス代表入りを確実にした。正式決定すれば、2012年ロンドン、16年リオデジャネイロ両大会に続き3度目の五輪出場となる。
世界女王に0-4完敗も安堵の涙
石川は1回戦で19年世界選手権金メダルの劉詩ブン(中国)に0-4で敗れたが、この大会まで残り1枠を争った同11位の平野美宇(19)=日本生命=も同18位の王芸迪(中国)に1-4で敗れたため、すでに代表を確実にしている伊藤美誠(19)=スターツ=に次ぐ日本勢2位を決めた。
「勝てればよかったが、自分のやることは終わった」と話した後、2枠目を争う平野も敗れたことで五輪シングルス代表が確実に。
石川が苦しみ抜いて3大会連続の五輪切符を手にした。過去2回、五輪シングルス代表を勝ち取った26歳にも、東京への道のりは想像以上だった。「本当にすごくうれしいです」。自身は世界女王に完敗したが、その直後にライバル平野も初戦で敗退。「長かった。やっと終わったなと。今までの五輪代表レースの中で一番厳しかった」。喜びはもちろん、苦しいレースを完走した達成感で、目には自然と涙があふれた。
「今までで一番ハード
卓球人生で最も険しい1年だった。ロンドン、リオデジャネイロ五輪を経験してきたが、伊藤、平野らの台頭をはじめ日本の層は厚くなり、シングルス2枠は狭き門。今年世界ランク1番手でスタートしたが、なかなか勝てない時期も続いた。
リスクを負って攻めなければ得点を決められないが、負けを恐れて守りに入ってしまう。「どうしてもシングルスに出なきゃという気持ちが大きくなり、したいプレーと全く違うプレーしてしまった」。「強い選手はミスしないのにミス待ちになったり、簡単なミスにこだわったり」フラストレーションばかりがたまった。
最終盤で迷いを吹っ切る
悩んでいた時期、周囲からは「思い切って。リラックスしてやったら」と声をかけられた。石川にとっては意外な助言だった。「今までは『気合入れてやりなさい』って言われてたんですけどね(笑)」。持ち味であるはずのメンタル面を指摘されたのは20年間の卓球人生で初めてのこと。以前は聞き流していた両親やコーチの言葉がようやくストンと落ち、迷いも吹っ切れたという。
「五輪で最高のプレーを見せたい」
追う立場で臨んだノースアメリカン・オープン決勝では、平野との直接対決を制し形勢を逆転した。「最後のチャンスと思い、吹っ切れて最高のプレーができた」。土壇場での執念が最大の強みだ。卓球人生でも最も苦しんだこの1年でさらに成長した自負もある。「五輪は考えられないプレッシャーがあるが、その中で戦うために鍛えられた。あと半年さらにパワーアップして五輪で最高のプレーを見せたい」。卓球人気をけん引してきたヒロインが集大成の舞台にすべてをぶつける。
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